WS000303


シーバスを始めて
もうすぐ一年になります。

 

僕のホームは外洋に面した
サーフなんですが、今現在
PEラインの1.2号を使っています。

ですが、ある人から、
「サーフは飛距離が必要だから
0.8号の方がいいよ!」
と、言われました。

 

そこでデュエルの8本ヨリPEライン
あたりを考えているのですが、
しんさんの意見を聞かせて
頂きたいと思いまして。

 

よろしくお願いします。
 
 
 

と、言うのが今回の【Q&A】
 
 
 

私はよく、いろんなところから
いろんな相談や質問を頂きます。
 

よくある質問や
緊急性の高い質問など
当ブログの記事で
お答えしていきます。

 
 

あなたもお気軽に問い合わせて
頂けるとうれしいです。
 
 
 

よろしくお願いします。
 
 
 
 

ルアーで考えてみると、

こんにちは、しんです。
 

お問い合わせ、
ありがとうございます。

嬉しいです。
 
 

さて、0.8号がいいよと言われて
ラインの候補まで考えているのに
私に相談して頂けるという事は、

その0.8号説に違和感を
感じているんですね?
 

その違和感はあながち
間違いではないと思います。
 
 

ここからは私個人の考えで
お話させて頂きます。

あくまで一つの考え方として
参考にして頂けたら嬉しいです。
 
 

結論から申し上げると、
あなたのホームの状況では
0.8号8本ヨリのPEラインを
オススメ出来ません。

 

その理由をこれから
解説させてください。
 
 

では、いきましょう。
 
 
 

外洋に面したサーフでは
基本、ベイトサイズが大きので
ルアーの標準サイズが140ミリが
普通です。

 

となれば、ほとんどのルアーが
20グラムくらいの重さを
持っていることになります。
 

このくらいの重さのルアーを
フルキャストしようと思ったら
そうとう柔らかいロッドでないと
0.8号ではキャスト切れします。
 

外洋サーフなのでそんなに
柔らかいロッドは使ってない
と思います。

ロッドパワーはMですよね?
 
 

では、

キャスト時にリーダーの結び目を
ガイドの中に入れるかと聞かれれば
これも無理があります。
 

結び目がガイドに当たった時に
リーダーの放出速度が失速します。

そして、その後ろから来る
PEラインはそのままの速度で
リーダーの結び目を追いかけます。
 

運が悪いとここでライントラブルが
発生して、一瞬ルアーキャスト時の
抵抗になる事があります。
 

この時に0.8号では
間違いなく耐えられません。

100%ラインブレイクします。
 
 

仮に上手くキャスト出来たとしても、
毎回いらないスリルを味わいながら
ルアーをキャストする事になります。
 

仕様ルアーの重さから見ると、
PE1.2号が適切かと思います。

 
 
 

そして、ルアーの飛距離に
ついてですが、1.2号と0.8号では
0.8号の方が飛距離が出るのは
間違いありません。

 

ですが、それはあくまで
軽いルアーを使った時の話。
 

ルアーが軽ければ軽いほど
1.2と0.8とでは
飛距離に差が出ます。
 

でも逆にルアーが重ければ
重いほど、目に見えて分かるほど
明確な差は出なくなります。
 
 

これは・・・、
いちおう解説しておきます。
 

地球上の全ての物質には
”慣性の法則”というものが
働いています。
 

ルアーの飛行を邪魔するのは
風や空気抵抗もそうなんですが、
ラインも邪魔をしています。

これは正確に言うと、
ラインの重さがルアーの飛行に
ブレーキをかけています。
 
 

PEラインが最も飛距離が出るのは
フロロやナイロンに比べて
その全体重量が圧倒的に軽いから。

全体重量とは、リールから
放出されているライン全ての
重さのことです。
 

ルアーというのはラインを
尻尾みたいにくっつけながら
ポイントへと飛行していきます。
 

飛び始めは出てるラインは
まだ短いですよね?
 

でも飛べば飛ぶほど尻尾が
長くなります。
 

そして、この尻尾は長くなれば
なるほど重くなっていきます。
 
 

例えば、この尻尾の重量が
ルアーの重量を超えてしまったら。
 

・・・、
 

そうですね。

ルアーはラインを引っ張って
飛ぶことは出来ません。
 
 

もちろんこれは極端な話
実際にこんな事は起こりえません。
 

ですが、リールから放出された
ラインにルアーを引っ張る力が
あるのは分かりますよね。
 

この微弱な力がキャスト時には
発生しています。
 

小さな力ですが、それゆえに
軽いルアーは強く影響を受けます。
 

でもルアーがその力、つまり
放出されているラインの重量よりも
圧倒的に重ければ、
さほど影響されません。

 

ルアーが重ければ重いほど
それは微弱な力になります。
 

軽いルアーが2グラムの物を
引っ張るのと、

重いルアーが2グラムの物を
引っ張るのでは、まったく
次元が違うという事です。
 
 

つまり、使用ルアーが基本的に
重いので、ラインの細さによる
ルアーの飛距離は目に見えて
変わらない。

 

飛距離を伸ばす目的で
0.8号を使う必要性はかなり
薄いということです。
 
 
 

ただし、風が強い中では
細いラインを使った方が
ルアーの飛距離は伸びます。
 

これは放出されるラインに
風が力を与えるから。
 

つまり、太ければ太いほど
風の影響を受けます。
 

これは解説はいりませんね。

極端に言えば昔の船が
マストを下ろすか
たたむかの話です。
 
 
 
 

外洋サーフで考えてみると、

サーフシーバスにおいて
PEライン0.8号というのは
基本的にヤバいです。
 

サーフは砂地でほとんど
根ズレはしないから、細い
PEラインを使っても大丈夫だと
あなたは思うかもしれません。
 

ですが、ちょっと考えてみて
ください。

サーフの波打ち際の水中って
どうなってますか?
 
 

波が寄せては返して海底の砂が
常に巻き上げられているエリアが
ありますよね?
 

リトリーブしている以上、
必ずあのジャリジャリの水質の
中を引いてくる事になります。

 

サーフでの釣りは砂の粒子が
浮遊している水中をリトリーブ
してくる事になるんです。
 
 

確かに根ズレはありません。

ですが、

実は目に見えないレベルで
砂の粒子に擦れてラインが傷つく
現象が起きています。

 

これにサーフシーバス
特徴を掛けあわせてみてください。
 

サーフでシーバスを狙う時は
基本的にサーフが荒れている時を
狙うはずです。

釣れますから。
 

サーフが荒れていると先ほど
お話した海底の砂が巻き上げられて
いるエリアが格段に広く大きくなり、
いわゆる”砂ズレ”も酷くなります。
 

細いラインではマメに交換しないと
ラインブレイクするので、
ラインを買うお金が高くつきます。
 

これが私がサーフシーバスで
PEライン0.8号をオススメできない
最大の理由です。
 
 
 

更にサーフシーバスでは
8本ヨリではなく、4本ヨリの
PEラインをオススメします。

 

確かに引っ張り強度で考えれば
4本よりは8本の方が強いです。
 
 

ですが、これもちょっと想像
してみてください。
 

同じ太さのラインであったなら、
8本ヨリのと4本ヨリとでは
どちらが一本一本の繊維が
太いと思いますか?
 

・・・、
 

そうですね。

4本のほうが一本一本の繊維が
太いんです。
 

根ズレであれば、どっちでも
ズバッと切れるのであんまり
関係ないんですが、

砂の粒子による目に見えないような
レベルの砂ズレなら、繊維が細い
8本ヨリの方が早く切れます。

 

細い繊維の一本が切れて
そして2本3本と切れていき、
強度が落ちてきたところでバイトを
合わせてラインブレイク。

こんな感じです。
 
 

でも、4本ヨリなら繊維が
太いので8本ヨリよりは結構
長持ちします。
 

こういった理由もあって
私としてはサーフシーバスでは
4本ヨリを推奨しています。
 
 
 
 

まとめますと、

使用するPEラインはあなたの
フィールドの特徴をいろんな
方向から考えて選ぶべきです。

 

でも、私個人の分析からは
PE1.2号を推奨するという事。

 

ルアーで考えてみても、外洋
サーフで考えてみても0.8号の
PEラインで釣りをするのは、私は
ギャンブラーに近いと思います。
 
 

いつ行っても横風や向かい風が
吹いていて釣りにならないと
言うのなら細いラインでやって
みるのもいいかもしれません。

 

ただ、ラインはマメに交換する
事になると思います。
 
 
 

この話は一応、

「こういう考えもあるんだ」

くらいに思っておいてくださいね。
 
 

所詮は私個人の意見です。

誰がなんと言おうと、
あなたの釣りを選ぶのは
あなた自身です。

 
 

実際に実験して体感してみるのも
また釣りの面白いところです。
 
 
 
 

それでは、また。